2025年05月31日 [日常あれこれ]
動物病院のお昼休み事情
こんにちは、獣医師の大野です。
もう６月になるのに肌寒いですね。
暑さに強い植物を植えたのに、可哀そうな気がします。
ま、どうせ今だけ、嫌って程暑くなるからいいんですけどね・・・
↑今年はひまわり以外にも色々植えてます。
夏が嫌いなので、せめて１つぐらい楽しみを…と思いまして。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
皆さんはお仕事の時のお昼ご飯はどうされていますか？
私の父は会社員で、社内に社員食堂があったようでそちらで食べていたとのこと。
テレビなどで見る、カーディガン着て財布持って数人で信号待ちしてる
おしゃれランチに繰り出していくOLさん、みたいなのもよく目にしていましたので、
↑こんなの
働く人の昼飯ってそういうもんだと思っていました。自分が社会人になるまでは。
実際には社員食堂なんてそれなりの人数が働いている職場でなければ存在しませんし、
毎日のおしゃれランチはお金がもたない上に、量が少なくて夜までもたない、
そもそもこの辺りにはそんなにお店のレパートリーがない！
昼飯に限ったことではないですね。
仕事終わりに友人と飲みに…とかだって、この業種では非現実的です。
時間も遅いし、そんな元気が残ってるのはうちの院長ぐらいです。
院長は家飲み派ですから、元気だけど飲みに出かけたりはないようです。
飲食店が少なく、リッチでもない人々は昼に何を食べているのか…
もう、手作り弁当かコンビニ弁当かカップ麺か…ということになりますが、
いずれにせよそれは出掛けたりせずに職場内のどこかで食べるということです。
そもそも動物病院のお昼休みって一体何をしているのか…
午前中の診察が終わってから午後の診察が始まるまで長くない？
と思われている方、いらっしゃいますよね？
休憩時間に連れて行きたい！と思われている方もいらっしゃるかと思いますが、
動物病院のお昼の時間はとても貴重な時間です。
午前の診察が終わってから午後の診察までの間、何をしているのか…というと、
① 予定に入れていた手術をする
② 予定に入れていた預かりの検査（超音波検査など）をする
③ 午前中の診療で急遽預かることになった子の検査や処置や手術をする
④ 朝干した洗濯物をたたみ、午前中に出た洗濯物を干す
⑤ 午後帰る予定の子たちのお返しの準備をする（会計を入れる、薬を作るなど）
⑥ 午後の診療に向けて掃除をする
⑦ 午後の診療の準備をする
⑧ 難しい症例の治療法や新しい薬などの知識を入れる
⑨ 日用品の買い出しをする
⑩ 二次診療を受診する予定の子の紹介状・経過報告書を書く
⑪ 訪問してくる製薬会社さんなどの来客対応
⑫ その他諸々の雑務（DMハガキを作る、ブログを書く、ゴミ捨て等）
⑬ お昼ご飯を食べる
⑭ 午後の診療のために頭と体を休める
たぶんまだまだありますが、思いつくだけでざっとこんな感じです。
やらなきゃいけないことはたくさんありますし、もちろん①～⑫が優先事項ですが、
正直な話をすれば⑬お昼ご飯を食べる と ⑭午後の診療のために頭と体を休める の２つ、
この２つは極力ちゃんと死守したいのです。
動物病院は大体8時～8時半ぐらいに出勤し、退勤するのは早くても19時過ぎ、
遅いと21時過ぎることもあります。
なので、お昼休憩をしっかり休まないと夜まで体力がもちません。
お昼をしっかり休まないことで、注意力や集中力が散漫になって、
午後の診療は医療ミスが多い、というわけにはいきません。
時々あまりにも疲れて、駐車場の車の中でエンジンかける前に
座ったままひと眠りしたり、家に着いたは良いけど車から降りる体力が
残ってなくて運転席でひと眠り、なんてこともあったりします。
というわけで、できるだけ昼の時間はしっかり休むべく、
午前中の間にできるだけのことをやっておきたいとスタッフの誰もが思っています。
でも、上記の中に入れてませんが、⑮急患の対応 というのも実際にはあったりします。
たった今交通事故に遭ってしまったとか、突然呼吸が止まりそうだとか、
突然大きな発作が起こっているとか、そんな急患の場合は仕方ないのですが、
何日も前から体調悪いことがわかっていて、
「用事があるので昼に行きたいんですけど」 と言われると
「自分の予定は変えずに優先させるのに？」
と思ったりします。午後の来院を勧めたり、時間外料金がかかることを説明しても
「え？じゃあ放っておいていいんですか？大丈夫ですか？」 と脅すように言われると、
「何日も放置して連れてこなかったのは自分なのに、
『すぐ診てもらえなかったからこんなことになった』とでもいうつもりなんだろうか。
なぜこちらに責任を押し付けるんだろう。何故数時間待てないんだろう」
とモヤモヤします。動物の命を取引材料に使われている気がして、
そういう人に飼われる動物は可哀そうだな～と思います。
私が以前働いていた動物病院はスタッフの人数が多かったので、
お昼は手が空いた人からご飯を食べ、食べ終わったら
まだ食べてない人と交代する という方式でした。
馬場さんも同じところで働いていましたが、馬場さん曰く
「『先に食べちゃっていいよ』とか言われるけど、
あれは絶対後から食べる人が得！」とのこと。
先に食べて良いなんて一見ラッキーに思えますが、
先に食べる人は大急ぎで昼飯を胃に流し込み、
そしてすぐにまだ食べてない他のスタッフと交代しなくてはなりませんでした。
私もお昼ご飯を食べた後10分ぐらい椅子に座って休憩していたら、お局看護師さんに
「いつまで座ってるんですか？」と言われたこと、何度もあります。
（つまり、何度も負けじと座ってたということですね。
拘束時間12時間を超える上に、獣医師の方が帰宅時間は１時間以上遅いんだから、
せめて10分ぐらい休ませてよ！って思ってました）
後から食べる人はスタート時間こそ少しずれますが、
自分が食べるころには交代しなくてはならない人が後ろにいないため、
食べ終わった後も結構ゆっくりできるようです。
そしてみんな口には出さないけどそれがわかっていたので、
「お先どうぞ」「いえいえ、そちらこそお先どうぞ」という静かな戦いが各所で起こり、
また、「あ～忙しい忙しい！」と急に動きが落ち着かなくなり、
「私は今とても忙しくて休憩には入れませんよ～」と、
昼休みが近くなるとこれ見よがしにバタバタする人もいました。
そんな心理戦が毎日繰り広げられていると、
「あの人いっつも休憩長めにとるよね～」
「あの人、後から休憩はいる為に『みんなが仕事遅いから
私は休憩行く時間取れないぐらい大変です』感出してくるの、むかつく！」
となり、お昼の休憩は諍いのもとになっていたような…気がします。
当院もお昼の休憩時間には先ほどの【昼にやるべきこと①～⑭】をやりますが、
バラバラに休憩を取ることは少なく、みんなで一気に片付けて、
全員で一緒にお昼を食べるということがほとんどです。
場所も分けようと思えば分けられますが、基本的には診察室の診察台で
全員で弁当を広げて食べます。これを【団欒】と呼びます。
この団欒、最初は何とも思ってませんでしたが、
最近は結構大事なんじゃないかなと思い始めています。
当院はスタッフ間の年齢がバラバラです。
一番近いところが小池さんと黒田さんの３歳差で、
一番間隔が広い小池さんと馬場さんで10歳差、
最年長と最年少は21歳差、平均年齢は33.8歳です。（のんさん除く）
なので、育った時代背景なども微妙に違いますし、
文化や考え方の違いに驚くことも多いのですが、
団欒はそれを理解していくための時間になっている気がします。
若者の文化を知らない院長と私、
歴史や社会情勢に疎い小池さんと黒田さん、
馬場さんはうまいことどちらも薄っすら知っている（どちらかというと若者寄り）
という感じです。
最近お休みの日に行った場所のこと、最近はまっていること、食べ物の話など、
話題は様々ですが、毎日コミニュケーションを取っていると
それぞれがどんな考え方をするかとかが分かってきますし、
ふと食べた物も「これ、多分小池が好きなやつだ！」とか分かるようになります。
私は時々夜間の病院で診療をしていますが、この病院で働くスタッフたちのほとんどが
この地域の様々な病院で日中働いていますので、他の病院のお昼事情は気になるところです。
病院の規模や立地条件、スタッフの人数、関係性など本当に様々で、
当然すべての病院で働いてみるわけにはいかないので、
話を聞きながら想像を膨らませてみる…というのは私の趣味の一つで、とても楽しい❤
話を聞いていると、先ほどのような【バラバラ休憩タイプ】の病院は結構多い気がします。
そこそこのスタッフの人数がいて、来院数も多い病院ですと、
スタッフが休憩する場所を病院内に確保するのは難しい場合もあるようです。
そんな病院は、近隣のマンションの一室などを借りて、昼休みは交代でそちらに移動して
お昼ご飯を食べたり休憩をしたりするとのこと。
休憩場所なので、yogibo的なクッションがあったり、TVがあったりするとかしないとか…
↑yogibo的なクッション。
これは…羨ましい！
休憩場所もそうなんですけど、当院はとても狭いので書籍類の置き場所が足りません。
天井はやたら高いので、DIYをしてなんとか収納場所を上の世界に伸ばしていますが、
高いところに本を置くのはとても危険ですし、軽いからと言って
普段頻繁に使用するものを高いところに置くと、江角マキコさんばりに
いつも脚立を肩に担いで歩かなきゃいけなくなります。
圧倒的床面積不足です。なので、マンションの一室を借りるなんて素敵すぎる！
うちはそもそもマンションの１階のテナントなので、借りるとすれば
この建物の上の部屋にすればいいんですが、調べてみたところ、
うわ！空き部屋が２つもある！どれどれ…
まあ、素敵！
当たり前ですけど、広い方がいいな～
この間取りだったら・・・
入口すぐの部屋を院長室にして、
奥のリビングで休憩できるようにして
あ、すみません、もうスタッフが休憩してますね、契約してないのに無断で。コラコラ
大量にあふれてしまう本たちはこの辺りに収納出来ます。
おしっこや下痢や肛門腺をかけられてもシャワーがあれば安心です。
あ、すいません、ついシャワー浴びちゃいました。契約してないのに。
この色っぺぇシルエットはもちろん私です
そして今非常に苦労している洗濯物も、
ベランダがあればちゃんと干せます。
時々夜中に数時間おきに検査しなければならない子がいたりするので、
そんな時の仮眠室として使えると尚嬉しいはず。
夢が膨らみます。でも…
夢と一緒に出費も膨らみます。これは…無理だ…
これを払えるくらいなら、LINEはとっくに
月5000円の有料プランに変更してちゃんと使えるようになってる・・・
それならば小さい方の部屋ならどうでしょう。
１部屋しかないため院長室は作れませんのでDIYを頑張って
こんな感じに壁で仕切って個室を作っても良いかもしれません。
まあ先ほどの部屋よりは劣りますが、最悪これでも良い！と思ったら
それでもこの値段はします。
私、このグレードの賃貸は住んだことありません。なんてリッチなんでしょう。
というわけで、夢はどんどん膨らむものの実現は難しそうです。
なので妄想で我慢！
ただ、こういう休憩所を持っているところのスタッフさんに話を聞くと、
意外にも「そんなに寛げない」と感じてたりもするようです。
結局１人で使うわけではないので、設備が如何に整っているかよりも
その設備を使う人同士の関係性がどうか、ということの方が
心から休憩できるかどうかを左右するようです。
確かに、家を買う時なんかには
「狭いアパート暮らしの時は家族仲良く肩を寄せ合って生活してたけど
広い家を買ってそれぞれに自分の部屋が出来たら顔を合わせなくなり
会話が減ってギクシャクする」
的な話は時々聞きますもんね。
そもそも私が20代の頃は、お昼の休憩だけでなく、
たまにしかない職場の親睦会みたいなものも
正直参加したくありませんでした。
「勤務時間だけで勘弁してくれよ」と思ってましたし、
どんなに旨そうな肉だったとしても、美味しく食べる心境にはなりませんでした。
でもこれは多分普通のことで、職場の飲み会なんて、年長者は楽しいけど、
若者にとっては「業務として行ってる」という感覚なのではないかと思います。
実際、ネットで【職場の飲み会】と検索すると
ほら、候補のトップは【行きたくない】が出てきます。
しかーし！当院では小池さん発信で「焼肉が食べたい」ということが多く、
一応「世の中的には若い人たちはこういうの行きたくないらしいよ」と言ってみたら
「え？なんでですか？」とのことでした。黒田さんにも、
「『実はすごく嫌！本当は参加したくない！』とかだったら全然遠慮しなくて良いのだよ。
食べたい時だけ来るとかでも良いし、本当に自由参加だから」とは言うものの
「行きたくない！」みたいなのはないそうで、むしろ「食うぞ～！」って気合入れてるらしい。
まあ、毎日一緒に食べてますからね。場所とメニューが違うだけですしね。
もちろん私も昔とは違って全く苦ではなくなりましたので、
「みんな～遠慮しないでどんどん食べて～」って言ってます。
私が払うわけではないけど、まるで私が払うみたいな言い方して(笑)。
私は実は結構前から、お昼の団欒が関係性の維持のため大事だと密かに思っていましたが、
他の人はきっと何とも思ってないんだろうな～とも思ってました。
でも少し前に院長が、連日お昼の時間帯が忙しく、団欒に参加せずに
各所に出かけていたことがあって、久しぶりに一緒にご飯を食べるときに、
「いや～最近みんなと一緒にご飯食べれてなかったんで、
久しぶりに食べれて良かったです～」と言っていたので、
「おや？院長も大事さに気づいてるのかな？」と少しうれしい気がしました。
そもそも、世の院長先生は多分スタッフと一緒にご飯食べません。
大体フラッとどこかに消えて、一人で美味しいもん食べてるんだと思ってます（←決めつけ）
でも、人のお昼ご飯にとやかく言うのはアレですけど、院長のお昼は
こんな感じの、「貧しいのかな？大丈夫かな？毎日これだけど飽きないかな？」という
よく言えば健康的、悪く言えば可哀そうなメニューなので
今後もこの地味なお昼で一緒に団欒できればいいな～と思ってます。
ま、素敵な休憩部屋は欲しいですけどね。
おまけ
以前当院に実習に来たとある実習生が、一緒にお昼を食べるときに
上記のような院長のお昼ご飯を目にして一言
「・・・・・・美味しそうですね」と言ったようです。
絶対嘘！気ぃ使わせてんじゃん！
もう６月になるのに肌寒いですね。
暑さに強い植物を植えたのに、可哀そうな気がします。
ま、どうせ今だけ、嫌って程暑くなるからいいんですけどね・・・
↑今年はひまわり以外にも色々植えてます。
夏が嫌いなので、せめて１つぐらい楽しみを…と思いまして。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
皆さんはお仕事の時のお昼ご飯はどうされていますか？
私の父は会社員で、社内に社員食堂があったようでそちらで食べていたとのこと。
テレビなどで見る、カーディガン着て財布持って数人で信号待ちしてる
おしゃれランチに繰り出していくOLさん、みたいなのもよく目にしていましたので、
↑こんなの
働く人の昼飯ってそういうもんだと思っていました。自分が社会人になるまでは。
実際には社員食堂なんてそれなりの人数が働いている職場でなければ存在しませんし、
毎日のおしゃれランチはお金がもたない上に、量が少なくて夜までもたない、
そもそもこの辺りにはそんなにお店のレパートリーがない！
昼飯に限ったことではないですね。
仕事終わりに友人と飲みに…とかだって、この業種では非現実的です。
時間も遅いし、そんな元気が残ってるのはうちの院長ぐらいです。
院長は家飲み派ですから、元気だけど飲みに出かけたりはないようです。
飲食店が少なく、リッチでもない人々は昼に何を食べているのか…
もう、手作り弁当かコンビニ弁当かカップ麺か…ということになりますが、
いずれにせよそれは出掛けたりせずに職場内のどこかで食べるということです。
そもそも動物病院のお昼休みって一体何をしているのか…
午前中の診察が終わってから午後の診察が始まるまで長くない？
と思われている方、いらっしゃいますよね？
休憩時間に連れて行きたい！と思われている方もいらっしゃるかと思いますが、
動物病院のお昼の時間はとても貴重な時間です。
午前の診察が終わってから午後の診察までの間、何をしているのか…というと、
① 予定に入れていた手術をする
② 予定に入れていた預かりの検査（超音波検査など）をする
③ 午前中の診療で急遽預かることになった子の検査や処置や手術をする
④ 朝干した洗濯物をたたみ、午前中に出た洗濯物を干す
⑤ 午後帰る予定の子たちのお返しの準備をする（会計を入れる、薬を作るなど）
⑥ 午後の診療に向けて掃除をする
⑦ 午後の診療の準備をする
⑧ 難しい症例の治療法や新しい薬などの知識を入れる
⑨ 日用品の買い出しをする
⑩ 二次診療を受診する予定の子の紹介状・経過報告書を書く
⑪ 訪問してくる製薬会社さんなどの来客対応
⑫ その他諸々の雑務（DMハガキを作る、ブログを書く、ゴミ捨て等）
⑬ お昼ご飯を食べる
⑭ 午後の診療のために頭と体を休める
たぶんまだまだありますが、思いつくだけでざっとこんな感じです。
やらなきゃいけないことはたくさんありますし、もちろん①～⑫が優先事項ですが、
正直な話をすれば⑬お昼ご飯を食べる と ⑭午後の診療のために頭と体を休める の２つ、
この２つは極力ちゃんと死守したいのです。
動物病院は大体8時～8時半ぐらいに出勤し、退勤するのは早くても19時過ぎ、
遅いと21時過ぎることもあります。
なので、お昼休憩をしっかり休まないと夜まで体力がもちません。
お昼をしっかり休まないことで、注意力や集中力が散漫になって、
午後の診療は医療ミスが多い、というわけにはいきません。
時々あまりにも疲れて、駐車場の車の中でエンジンかける前に
座ったままひと眠りしたり、家に着いたは良いけど車から降りる体力が
残ってなくて運転席でひと眠り、なんてこともあったりします。
というわけで、できるだけ昼の時間はしっかり休むべく、
午前中の間にできるだけのことをやっておきたいとスタッフの誰もが思っています。
でも、上記の中に入れてませんが、⑮急患の対応 というのも実際にはあったりします。
たった今交通事故に遭ってしまったとか、突然呼吸が止まりそうだとか、
突然大きな発作が起こっているとか、そんな急患の場合は仕方ないのですが、
何日も前から体調悪いことがわかっていて、
「用事があるので昼に行きたいんですけど」 と言われると
「自分の予定は変えずに優先させるのに？」
と思ったりします。午後の来院を勧めたり、時間外料金がかかることを説明しても
「え？じゃあ放っておいていいんですか？大丈夫ですか？」 と脅すように言われると、
「何日も放置して連れてこなかったのは自分なのに、
『すぐ診てもらえなかったからこんなことになった』とでもいうつもりなんだろうか。
なぜこちらに責任を押し付けるんだろう。何故数時間待てないんだろう」
とモヤモヤします。動物の命を取引材料に使われている気がして、
そういう人に飼われる動物は可哀そうだな～と思います。
私が以前働いていた動物病院はスタッフの人数が多かったので、
お昼は手が空いた人からご飯を食べ、食べ終わったら
まだ食べてない人と交代する という方式でした。
馬場さんも同じところで働いていましたが、馬場さん曰く
「『先に食べちゃっていいよ』とか言われるけど、
あれは絶対後から食べる人が得！」とのこと。
先に食べて良いなんて一見ラッキーに思えますが、
先に食べる人は大急ぎで昼飯を胃に流し込み、
そしてすぐにまだ食べてない他のスタッフと交代しなくてはなりませんでした。
私もお昼ご飯を食べた後10分ぐらい椅子に座って休憩していたら、お局看護師さんに
「いつまで座ってるんですか？」と言われたこと、何度もあります。
（つまり、何度も負けじと座ってたということですね。
拘束時間12時間を超える上に、獣医師の方が帰宅時間は１時間以上遅いんだから、
せめて10分ぐらい休ませてよ！って思ってました）
後から食べる人はスタート時間こそ少しずれますが、
自分が食べるころには交代しなくてはならない人が後ろにいないため、
食べ終わった後も結構ゆっくりできるようです。
そしてみんな口には出さないけどそれがわかっていたので、
「お先どうぞ」「いえいえ、そちらこそお先どうぞ」という静かな戦いが各所で起こり、
また、「あ～忙しい忙しい！」と急に動きが落ち着かなくなり、
「私は今とても忙しくて休憩には入れませんよ～」と、
昼休みが近くなるとこれ見よがしにバタバタする人もいました。
そんな心理戦が毎日繰り広げられていると、
「あの人いっつも休憩長めにとるよね～」
「あの人、後から休憩はいる為に『みんなが仕事遅いから
私は休憩行く時間取れないぐらい大変です』感出してくるの、むかつく！」
となり、お昼の休憩は諍いのもとになっていたような…気がします。
当院もお昼の休憩時間には先ほどの【昼にやるべきこと①～⑭】をやりますが、
バラバラに休憩を取ることは少なく、みんなで一気に片付けて、
全員で一緒にお昼を食べるということがほとんどです。
場所も分けようと思えば分けられますが、基本的には診察室の診察台で
全員で弁当を広げて食べます。これを【団欒】と呼びます。
この団欒、最初は何とも思ってませんでしたが、
最近は結構大事なんじゃないかなと思い始めています。
当院はスタッフ間の年齢がバラバラです。
一番近いところが小池さんと黒田さんの３歳差で、
一番間隔が広い小池さんと馬場さんで10歳差、
最年長と最年少は21歳差、平均年齢は33.8歳です。（のんさん除く）
なので、育った時代背景なども微妙に違いますし、
文化や考え方の違いに驚くことも多いのですが、
団欒はそれを理解していくための時間になっている気がします。
若者の文化を知らない院長と私、
歴史や社会情勢に疎い小池さんと黒田さん、
馬場さんはうまいことどちらも薄っすら知っている（どちらかというと若者寄り）
という感じです。
最近お休みの日に行った場所のこと、最近はまっていること、食べ物の話など、
話題は様々ですが、毎日コミニュケーションを取っていると
それぞれがどんな考え方をするかとかが分かってきますし、
ふと食べた物も「これ、多分小池が好きなやつだ！」とか分かるようになります。
私は時々夜間の病院で診療をしていますが、この病院で働くスタッフたちのほとんどが
この地域の様々な病院で日中働いていますので、他の病院のお昼事情は気になるところです。
病院の規模や立地条件、スタッフの人数、関係性など本当に様々で、
当然すべての病院で働いてみるわけにはいかないので、
話を聞きながら想像を膨らませてみる…というのは私の趣味の一つで、とても楽しい❤
話を聞いていると、先ほどのような【バラバラ休憩タイプ】の病院は結構多い気がします。
そこそこのスタッフの人数がいて、来院数も多い病院ですと、
スタッフが休憩する場所を病院内に確保するのは難しい場合もあるようです。
そんな病院は、近隣のマンションの一室などを借りて、昼休みは交代でそちらに移動して
お昼ご飯を食べたり休憩をしたりするとのこと。
休憩場所なので、yogibo的なクッションがあったり、TVがあったりするとかしないとか…
↑yogibo的なクッション。
これは…羨ましい！
休憩場所もそうなんですけど、当院はとても狭いので書籍類の置き場所が足りません。
天井はやたら高いので、DIYをしてなんとか収納場所を上の世界に伸ばしていますが、
高いところに本を置くのはとても危険ですし、軽いからと言って
普段頻繁に使用するものを高いところに置くと、江角マキコさんばりに
いつも脚立を肩に担いで歩かなきゃいけなくなります。
圧倒的床面積不足です。なので、マンションの一室を借りるなんて素敵すぎる！
うちはそもそもマンションの１階のテナントなので、借りるとすれば
この建物の上の部屋にすればいいんですが、調べてみたところ、
うわ！空き部屋が２つもある！どれどれ…
まあ、素敵！
当たり前ですけど、広い方がいいな～
この間取りだったら・・・
入口すぐの部屋を院長室にして、
奥のリビングで休憩できるようにして
あ、すみません、もうスタッフが休憩してますね、契約してないのに無断で。コラコラ
大量にあふれてしまう本たちはこの辺りに収納出来ます。
おしっこや下痢や肛門腺をかけられてもシャワーがあれば安心です。
あ、すいません、ついシャワー浴びちゃいました。契約してないのに。
この色っぺぇシルエットはもちろん私です
そして今非常に苦労している洗濯物も、
ベランダがあればちゃんと干せます。
時々夜中に数時間おきに検査しなければならない子がいたりするので、
そんな時の仮眠室として使えると尚嬉しいはず。
夢が膨らみます。でも…
夢と一緒に出費も膨らみます。これは…無理だ…
これを払えるくらいなら、LINEはとっくに
月5000円の有料プランに変更してちゃんと使えるようになってる・・・
それならば小さい方の部屋ならどうでしょう。
１部屋しかないため院長室は作れませんのでDIYを頑張って
こんな感じに壁で仕切って個室を作っても良いかもしれません。
まあ先ほどの部屋よりは劣りますが、最悪これでも良い！と思ったら
それでもこの値段はします。
私、このグレードの賃貸は住んだことありません。なんてリッチなんでしょう。
というわけで、夢はどんどん膨らむものの実現は難しそうです。
なので妄想で我慢！
ただ、こういう休憩所を持っているところのスタッフさんに話を聞くと、
意外にも「そんなに寛げない」と感じてたりもするようです。
結局１人で使うわけではないので、設備が如何に整っているかよりも
その設備を使う人同士の関係性がどうか、ということの方が
心から休憩できるかどうかを左右するようです。
確かに、家を買う時なんかには
「狭いアパート暮らしの時は家族仲良く肩を寄せ合って生活してたけど
広い家を買ってそれぞれに自分の部屋が出来たら顔を合わせなくなり
会話が減ってギクシャクする」
的な話は時々聞きますもんね。
そもそも私が20代の頃は、お昼の休憩だけでなく、
たまにしかない職場の親睦会みたいなものも
正直参加したくありませんでした。
「勤務時間だけで勘弁してくれよ」と思ってましたし、
どんなに旨そうな肉だったとしても、美味しく食べる心境にはなりませんでした。
でもこれは多分普通のことで、職場の飲み会なんて、年長者は楽しいけど、
若者にとっては「業務として行ってる」という感覚なのではないかと思います。
実際、ネットで【職場の飲み会】と検索すると
ほら、候補のトップは【行きたくない】が出てきます。
しかーし！当院では小池さん発信で「焼肉が食べたい」ということが多く、
一応「世の中的には若い人たちはこういうの行きたくないらしいよ」と言ってみたら
「え？なんでですか？」とのことでした。黒田さんにも、
「『実はすごく嫌！本当は参加したくない！』とかだったら全然遠慮しなくて良いのだよ。
食べたい時だけ来るとかでも良いし、本当に自由参加だから」とは言うものの
「行きたくない！」みたいなのはないそうで、むしろ「食うぞ～！」って気合入れてるらしい。
まあ、毎日一緒に食べてますからね。場所とメニューが違うだけですしね。
もちろん私も昔とは違って全く苦ではなくなりましたので、
「みんな～遠慮しないでどんどん食べて～」って言ってます。
私が払うわけではないけど、まるで私が払うみたいな言い方して(笑)。
私は実は結構前から、お昼の団欒が関係性の維持のため大事だと密かに思っていましたが、
他の人はきっと何とも思ってないんだろうな～とも思ってました。
でも少し前に院長が、連日お昼の時間帯が忙しく、団欒に参加せずに
各所に出かけていたことがあって、久しぶりに一緒にご飯を食べるときに、
「いや～最近みんなと一緒にご飯食べれてなかったんで、
久しぶりに食べれて良かったです～」と言っていたので、
「おや？院長も大事さに気づいてるのかな？」と少しうれしい気がしました。
そもそも、世の院長先生は多分スタッフと一緒にご飯食べません。
大体フラッとどこかに消えて、一人で美味しいもん食べてるんだと思ってます（←決めつけ）
でも、人のお昼ご飯にとやかく言うのはアレですけど、院長のお昼は
こんな感じの、「貧しいのかな？大丈夫かな？毎日これだけど飽きないかな？」という
よく言えば健康的、悪く言えば可哀そうなメニューなので
今後もこの地味なお昼で一緒に団欒できればいいな～と思ってます。
ま、素敵な休憩部屋は欲しいですけどね。
おまけ
以前当院に実習に来たとある実習生が、一緒にお昼を食べるときに
上記のような院長のお昼ご飯を目にして一言
「・・・・・・美味しそうですね」と言ったようです。
絶対嘘！気ぃ使わせてんじゃん！
