あんなかどうぶつ病院 千葉県流山市前平井 04-7179-5712 流山セントラルパーク駅 動物病院 ペットホテル

あんなかどうぶつ病院
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2023年07月23日 [病院のこと]

昨日の続き 夜間救急の話 と 大事なお知らせ 【後編】

こんにちは、獣医師の大野です。

文章が長くなってしまったため、今回の内容は前後編に分けました。
本日の内容は【後編】となります。
お知らせの中身に関しては今回の後編を読めばわかるようになっています。
もし、お時間があるようでしたら昨日投稿した
【前編】も一緒にご覧ください。

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後編の内容にもかかわる部分なんですが、
数年前に大昔放送されていたテレビドラマ【家なき子】を見ました。
有名なドラマなのでご存じの方も多いと思いますが、
安達祐実さん演じる主人公のすずちゃんは
病気のお母さんの治療費を稼ぐべく、
物語の最初の方で意気投合した野良犬、リュウと一緒に
小学生ながら靴磨きをしたり窃盗をしたりしながら生活をしています。

30年近く前のドラマですし、当然ストーリー的に「え!?」と思うところがたくさん。
推定8キロぐらいありそうな野良犬が街中を普通に歩いていることとか、
その犬がノーリードで病室に入っていくことを看護師含め誰も驚かないこととか、
「お母さんも早く手術して元気になりたいわ〜」とか言いながら
そのお金を娘がどうやって入手しているのか全然気にしない母親とか、
まあ気になることはたくさんありました。
「同情するなら金をくれ」のセリフで分かる通り、
主人公すずちゃんはまあなかなか小学生らしからぬ子供なわけですが、
かわいそうな境遇と、かわいらしい見た目から
おそらく視聴者の心を鷲掴みにし、「すずちゃん頑張れ!」
日本国民皆が応援していたんだろうな〜と思いました。
もちろん私も、応援してましたよ。あの発言を聞くまでは・・・

いつも一緒に行動していたリュウがいなくなり、探し回ったところ
誰かに暴力を振るわれ怪我をしているのを発見したすずちゃん。
真夜中にリュウを抱え、動物病院に向かうのですが、
ドアには診察終了の札がかけられており、電気も消えていました。
すずちゃんはリュウを助けたいので、ドアをガンガン叩きながら、
「開けてくれよ!」と言うのですが、まあ恐らく誰もいないのでしょう。
動物病院のドアが開くことはありませんでした。
私はどちらかと言うとドアの中の人間なので、
「あ〜この時間はね〜、難しいよね〜。流石に帰ってるもん。すまんね〜」
とか思ってたところ、すずちゃんが動物病院に向かって言った一言。

「医者のくせに休んでんじゃねえよ!」

・・・はい?

すずちゃんは獣医師を何だと思ってるんだろう・・・。
獣医師は一度なったら休むことは許されないとでも思ってるのかな・・・。
仮にもし誰かが開けてくれて診察してくれたとしても、
すずちゃんお金を払わないで帰りそうだし・・・
支払いの時になって「かわいそうな子供と犬から金とるのか!」とか
平気で言いそうだし・・・。うん、この子は絶対言う!

そんなシーンを見た後は、すずちゃんがちょっとかわいそうな目に遭っても、
「まあね〜すずちゃんちょっと非常識なところあるからな〜」という感じで、
前半には存在していたすずちゃんを応援する心はどこかへ行ってしまわれました。

でも大丈夫、すずちゃんはとりあえずフィクションの世界の人ですので、
世の中そんな人ばかりではないはずです。
というわけでまた前置きが長くなりましたが、
東葛地域に住む動物を飼育する飼い主さんたちの期待に応えるべく
獣医師会の先生方が新たに始めることになりました、夜間救急についてのお話です。

まだ具体的な日程は不明ですが、8月某日より診療開始となる予定です。
場所は、北柏にあるスカイ総合ペット専門学校
(↑小池さんの母校、黒田さんは在校生)
場所

夜間とは言ってもずっとではなく、21時〜0時までとなりますが
それでも何もないよりは良いですよね。
基本的には千葉県獣医師会に所属している動物病院のうち、
野田・流山・柏・松戸・我孫子の獣医師・病院スタッフのなかで
協力を申し出た獣医療従事者たちが交代でシフトに入っています。
つまり、うちの院長も時々担当します。
ご存じの通り、院長は木曜以外は当院で診察してますし、
木曜日もPTA等で動き回っています。
なのでせめて0時以降は睡眠取って欲しいですよね・・・
院長には末永く元気に生きていてもらわなければ困るので。
そしてこれはきっと他の先生方もそんな感じのはず!
というわけで、0時まででご勘弁を。

ものすご〜〜〜〜〜く微力ですが、私もたま〜〜〜〜〜にお手伝いしようかと。
勿論私も朝から19時まで通常通り出勤した後ですので、
自分がどの程度ゾンビになっているかはわかりませんし、
のんさんを抱えたシングル飼い主ですので様子見ながら、ですね。

ただ、いくつか知っておいて頂きたい注意点があります。

➀【夜間救急】は【夜間診療】とはちがう。
今回できた夜間はあくまでも【夜間救急】であって【夜間診療】ではありません。
つまり、通常の日中の診察時のような、
「爪切りして欲しいんですけど・・・」とか「最近毛が抜けます」とか「予防注射したい」とか
そういう緊急性の低い症例は扱っていません。
あくまでも、「今治療をしなければ朝まで持たなそうだ」とか、
「痛みがひどく朝までじっとしていられない」などが対象です。
便利だからという理由で緊急性のない患者さんが増えれば、
スタッフの人数は最小限しかいませんから、
重症な患者さんへの対応が遅くなってしまう可能性がありますので
緊急でない場合には通常の診療時間にかかりつけを受診してください。

➁診療費のお支払いについて
夜間の診療は、当然ですが通常の診察よりも費用が掛かります。
まだ具体的なことは決まっていませんが、私が以前聞いた話ですと
某夜間救急動物病院を受診して注射を数本してもらったら
全部で3万円ほどかかったとか・・・。でもこれは標準的な金額だと思います。

具体的にいくらかかるかについては動物の状態次第ですのでわかりませんが、
夜間のセキュリティー面を考慮し、現金でのお支払いは出来ません。
電子マネーもどこまで対応できるか不透明な為、
クレジットカードをお持ちいただくのが確実だと思います。
また、どうしても金額に制限があるという場合には、
診察前に事前に限度額を申告
してください。
診察がすべて終了して会計の時になってから、「今日はお金ないんで」という方、
当院でもたま〜にいらっしゃいます。
「しまった!ちょっと足りない!」とかはわかりますが、
端からお金もカードも持ってきていないのに何も言わずに診察を受ける…。
これ、普通に考えれば無銭飲食と一緒です。

例えば私が何日もご飯を食べてなくて、このままじゃ死ぬと思って
ラーメン1杯食べて、食べ終わってから「お金ありません」と言ったらどうなるか…。
まあ間違いなく警察を呼ばれ、シンプルに無銭飲食で逮捕されるでしょう。
手錠


当院での診療では、常連の患者さんに関してはどんな人かわかっているので、
ある程度は許容していますし、ほとんどの方はすぐに払いに来てくださいます。
が、夜間救急ははじめましての獣医さんである場合がほとんどですので、
悪質であると判断されれば、お巡りさんを呼ばれる事態になるかもしれません。
ご注意ください。

➂病状・経過がわかる人、治療方針を決められる人が連れて行くこと
連れてきたは良いものの、名前以外の情報がほぼわからない、
症状がいつからあるのかもわからない、何ならどんな症状かもわからないという状態で
「何とかしてくれ!」という方、実は結構いらっしゃいます。
人間の病院とは違い、本人に聞くということが出来ない以上、
連れて来た人から聞き出すしかないのですが、
緊急を要する状態なのに何もわからないのでは、治療のスタートが遅れます。
また、病状を把握できても、「治療するかどうかは夫に聞かないと・・・」とかも
実は結構多いのです。
でもそれは事前に決めてくるか、決定権ある人が一緒に来て欲しい・・・
また、当院の患者さんがうちの院長の当番の日に受診した場合は
これまでの経過がわかりますが、病院どうしでカルテ情報を共有しているわけではありません。
なので現在飲んでいる薬とか、これまでにかかったことのある病気とか、
使ってはいけない薬などの情報は何もない状態からの診療となります。
ですので、これまでの治療経過や飲んでいる薬がわかるものも
一緒に持っていくのが良いと思います。
これは災害時に同行避難する際にも役に立つと思いますので、
いつ何があっても良いように事前に用意しておくと良いでしょう。

➃受診前に必ず事前に電話を入れる、キャンセル時も必ず電話をすること
配置されるスタッフの人数も少ないため、
受診を希望される場合は必ず事前に電話を入れてください。
飛び込みでいらっしゃった場合には、お受けできないことがあります。
また受診の約束をした後、突如回復したなどでキャンセルする場合にも
必ず電話を入れてください。
以前夜間救急を担当していた時、夜中に起こされ準備して出動し
約束の時間から1時間待つも来ず、その方に電話をしたところ、
「あ〜、なんか良くなったからもういいかなと思って・・・」
と言われることがありました。これは絶対にやってはいけないことです。

ちょっと長々と書いてしまいましたが、
夜間救急は夜間に困っている動物たち、飼い主さんを助けたいという
獣医師の想いでスタートすることとなりました。
これが長く続けられるかどうかは、協力できる獣医師がいるかどうかだけでなく、
飼い主さんのマナーにもかかっていると思います。
マナー違反が多く、あまりにも負担になると判断されてしまえば
「やはり夜間救急はやめよう」ということになるかもしれません。
折角できたのですから、獣医師と飼い主さん双方の協力によって
より良い医療につなげていけたらと思います。
ご協力、よろしくお願い致します。

🐾🐾🐾お知らせ➀🐾🐾🐾
学生実習2023 第2弾!
19(水)まで頑張ってくれました進藤さんに入れ替わり、
一昨日より風見さんが実習に来ています。動物看護学科の2年生です。
kazamisan

⇧今年は進藤さんと床掃除は半分ずつです。
8月上旬までとなります。よろしくお願い致します。

🐾🐾🐾お知らせ➁🐾🐾🐾
8月1日で当院は9周年を迎えます。早いもんですね〜
9周年はめでたいですけど、10周年ほどのパンチはなく、
でも何か・・・何かしたい!
と、思っていたところ、ちょうどあるものが足りなくなりまして、
それならば全て新しくリニューアルしようということになりました。

そのあるものとは・・・
診察券!
材質を少し硬めにしてデザインも一新しました。
8月1日から配り始めるべく、只今超特急で準備中です。

既に古いものをお持ちの方も、新しくご用意してます。
8月1日から順次配り始める予定です。
※初回の作成料は無料になります!
デザインは、お渡ししてからのお楽しみです!


診療時間

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