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あんなかどうぶつ病院
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2023年10月23日 [日常あれこれ]

「この子は自分のこと人間だと思ってる」は・・・ホント?

こんにちは、獣医師の大野です。

のんさんは自分以外の猫が嫌いではありませんが、
大抵の猫はのんさんのことが嫌いです。
威嚇されのんさん

のんさんから威嚇したりすることはないのですが、
一瞬で【嫌い】と判断されてしまうことが多く、
ご挨拶する前に「きらいにゃ!」と面と向かって言われるという
こちらから見てると心をえぐられる様な経験を何度もしてきました。
正直、猫の社会にどうもうまく溶け込めないようです。

一方その飼い主はというと、普通に仕事をしてますし、
ご近所づきあいもしっかりしてますので、社会生活をする上で困ってはいません。
ただ、のんさんとタイプは違いますが、
私も人間社会にしっかり溶け込めているかと言われると・・・微妙です。

休みの日は基本的に一人で過ごしますし、たとえ旅行とかボーリングとかであっても
いつでも一人で出かけています。「一緒に行こう!」と人を誘うこともないので
一緒に行ってくれる友達が本当はいるのか、本当にいないのかも謎です。

SNSもLINEもやったことないですし、どうやら学生時代の同級生の中では
「あいつ・・・生きてるの?」みたいな状態らしい・・・。
ただ私の場合は自分の意志でやっていることなので【ノンストレス】ですが、
のんさんは意図せず嫌われるので、【のん・ストレス】かもしれません。

のんさんのような【自分の種の社会にとけこめない子】は犬でもよくいます。
他の犬とは仲良くなれない子や、そもそも仲良くする気のない子たち。

犬同士では遊ばず、ドッグランに行っても人間の方に寄って行ってしまう子たち。
そんな時
「この子は自分のことを犬と思ってないの。人だと思ってるの」
と表現する方が結構な割合でいます。
この表現は犬の社会性に関してだけでなく、「人間の食べ物を食べたがる」とか
「人間のベッドを占領する」とか、そういう時にも聞かれる表現です。
でもそれは・・・どうなんだろう・・・

私は人間社会にそれほど溶け込んでいない一方で、道端で話し込む猫は数匹います。
人間の友人より野良猫の友人の方が多いかもしれませんが、じゃあ私が
【自分のことを人間だと思ってない、猫だと思ってる】 かと言われると・・・
いやいや、ガッツリ人間だと思ってますよ!
たぶん学生さんとかでクラスに溶け込めなかったり不登校になってる子たちだって、
【自分のこと人間じゃない】とは思ってないと思うんです。

また、小さい子供は大人が食べてるものを食べたがったり、
大人の真似をしてみたりしますが、自分のことを大人だと
思っているかと言われると…どうでしょう。
恐らく「食べてみたい!」「やってみたい!」とか単純な感情で、
「自分が大人と同等か否か」なんて考えていないのではと思います。
考えてたらちょっと可愛くないな・・・理屈っぽいし。

のんさんも猫社会に溶け込めてないけど、自分を人間だと思ってるかと言われると・・・
別に選挙前にソワソワしたりしてないですし、ニュース見たりもしないですし、
(人間だと思ってんだな〜)と思うことは特にありません。

強いて言えば、「人間の話にやたら割り込んでくるな」と思うことはあります。
誰かの治療方針について「あれはどうだろう」「これはやってみてもいいかな」とか
院長と真剣に議論している時、のんさんはかなりの確率で
「のんちゃんも いいたいことがあるにゃ!」とデカい声で割り込んできます。
ドクターミーティング

なにか参加したい気持ちがあるようなので、そういう時はもう言わなくなるまで
しっかり会話をするようにしています。

大野「のんちゃんはどう思う?」
のん「にゃ〜ああ!」
大野「あ〜なるほどね〜そうなんだ〜。でもさ、あの子ちゃんとお薬飲むかな〜?」
のん「にゃあ〜にゃ〜!」
大野「確かに〜。そういう考え方もあるよね〜。参考になるわ〜」
のん「にゃ〜ん」
大野「うんうん、それは思いつかなかったな〜。それから?」
のん「・・・・・・」

こんな感じで、終わりは突然訪れますので、それまではちゃんと聞いてみます。
のんさんは自分のことを人間だと思ってるわけではなく、
ただ単に話の輪に入りたいだけだと思っています。

なので他の犬とかかわりを持たず、人間にしか興味がない犬たちも
「自分を犬だと思ってない、人間だと思っている」のではなく、
単純に他の犬のことは嫌い、もしくは何とも思ってない
人間は自分を優先してくれたり、何か物をくれたりするので
寄って行っている
だけではないか・・・と思うのです。

一応院長にも見解を聞いてみましたが、

「のんちゃんは自分を人間だとは思ってないし、
かといって猫だとも思ってないでしょうし、
別に何だとも思ってないと思う」
とのこと。
確かに、ぐうの音も出ないごもっともな見解です。「自分とは何か」なんて
人間だってそんなこと考えずに生きる人が大半なのに、
動物たちが、それも脳みそがピンポン玉より小さいであろうのんさんが
そんな哲学的なこと考えてるはずないですもんね。納得・・・
ぽけー

↑見るからに何も考えてなさそうな顔

でも、そういうことを考えないからこそ、メンタルがおぼろ豆腐のように柔いのんさん
「のんちゃんて・・・きらわれてるんだ・・・」と思い悩んだりすることなく
ご機嫌に日常を送れてるんだと思ってます。
もし自分を人間だの猫じゃないだの考える程の脳みそがあったら、
それこそ日々傷つくだろうから、こちらの方が心配です。

でも、脳みそピンポン玉サイズであっても、細かい意味まで分からなくても、
「にゃ〜」しか発音が出来なくても、
ちゃんと会話をすればコミュニケーションが取れますし、
「話せば聞いてくれる!」となれば、
何か困ったことがあった時(ウンコ片付けて欲しい時とか)に
不満を溜めたり実力行使に出ることなく、まずは相談しに来てくれるようになります。
すみませ〜ん

私も出来るだけたくさんのんさんに質問をしますし、のんさんが答えてくれたら熱心に聞きます。

ただ、ちょっとのんさんのおしゃべりに関しては納得いかないことがありまして・・・

大野「のんちゃん、今日も可愛いね」
のん「にゃん!」
大野「のんちゃんお返事上手だね」
のん「にゃあ」
大野「のんちゃんは可愛いだけじゃなくて、お利口さんだもんね」
のん「にゃ!」
大野「のんちゃん大好きだよ」
のん「にゃ〜ん!」
大野「のんちゃんはかーちゃんのこと好き?」
のん「・・・・」
そこで悩むな


なぜ?なぜあんなに返事してたのに、肝心なところはしないの?
多分意味はほとんど理解してないんだと思うんですけど、
前半部分のややどーでも良いところは律儀に返事するのに
頑なに一番最後の質問には答えないのです。
何度かやってみるんですが、結構な確率で沈黙になります。
悲しい・・・でも面白い・・・から何度もやっちゃう。 ま、のんさんが私を好きかどうかは別にどっちでもいいです。
どっちであっても、私がのんさんを好きなことには変わりないんで♥

◇◆◇◆◇おまけ◆◇◆◇◆
ボロボロ

↑のんさんがご飯を食べた後。
こんなに食べ散らかして・・・。
いつの日か天皇の昼食会とかにお招きいただいたら恥をかきそうですね。
人間じゃなくて良かったです・・・
診療時間

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